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皮膚科医が解説! 保湿だけでは治らない乾燥肌”とは?

保湿しているのに毎年くり返す乾燥肌・・。
「保湿+修復」ケアの大切さを、皮膚科医の先生がわかりやすく解説します。

セキひふ科クリニック院長 関 太輔 先生

1983年 富山大学(旧富山医科薬科大学)医学部卒業 同大学皮膚科入局
1984-85年 新潟労災病院皮膚科
1985年 富山大学(旧富山医科薬科大学)、医学部皮膚科助手
1991年 富山大学(旧富山医科薬科大学)、医学部皮膚科講師
1996-97年 アメリカ・カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)
皮膚科留学(文部科学省在外研究員)(主任:Peter M. Elias教授)
「皮膚バリヤー、特にセラミドに関する研究」
2000年7月 セキひふ科クリニック開設・院長
2009年8月 富山大学医学部医学科・臨床教授 現在に至る

乾燥肌の肌状態は、肌バリア機能が壊れ、
スカスカ状態です。

一見正常に見える肌でも、皮膚の表面を拡大して見てみると、正常な皮膚は角層の形が整っていますが、乾燥肌では角層が不均衡で、ガサガサと剥がれている部分も見られます。さらに下の写真のように顕微鏡で拡大し、細胞の状態を見てみると、正常な皮膚では角層細胞がおおむね同じ形や大きさを保ち、互いにつながっていますが、乾燥肌では、いびつな形の細胞が並び、ところどころで破れている部分も見受けられます。まさに肌表面が壊れてスカスカな状態になってしまっています。

壊れたバリアから、肌の奥にまで外部の物質が侵入。

肌表面の細胞がスカスカになっていると、バリア機能 が失われ、外部から異物の侵入が容易になってしまいます。下の写真は、ヒトの肌に蛍光塗料を塗り、ティッシュで拭き取った後の肌内部の映像の比較です(緑色の部分が、染み込んだ蛍光塗料)。正常な皮膚では、塗料は肌表面に留まり、拭き取れば消えます。一方、乾燥肌では、肌表面から浸透して内部にまで塗料が染み込んでしまっているので、拭き取った後でもはっきりと残っています。
また、肌の断面図を見ても、乾燥肌は表皮の奥まで塗料が浸透してしまっています。

肌表面に蛍光塗料を塗布した部分の表皮内部の画像

乾燥肌がくり返す原因は、バリア機能が壊れ、
肌のターンオーバーが異常に早くなっているため。

肌の乾燥がひどく、保湿クリームなどを塗ってもなかなか治らない…。 頑固な乾燥肌に悩む人も少なくありません。
皮膚は、表皮と真皮、皮下組織の三層構造になっています。 表皮の一番下にある基底層で新しい細胞がつくられ、有棘層、 顆粒層、角層へと順番に上がってきて、最後に垢となって剥がれ落ちます。 これをターンオーバーといいます。

皮膚の構造

乾燥肌によって肌バリアが壊れると、外界からの刺激を受け、バリア機能を修復するため新しい細胞をつくるよう基底層にシグナルが送られます。すると基底層での細胞の増殖スピードが通常よりも速くなり、細胞が不完全なままつくられてしまいます。よって、細胞は、十分な大きさもなく、形も不揃いでスカスカな状態です。そのようにバリア機能が損なわれたままだと、外部からの刺激が奥へ奥へと伝わり、さらに細胞を速くつくるシグナルが基底層に働いてしまい、いつまでたっても十分に成熟した細胞がつくれないままになってしまうのです。

スカスカの肌の原因は、奥にある!くり返す乾燥肌のメカニズム

保湿剤の効き方は、それぞれの成分で違う!

皮膚の乾燥に対して処方される成分は、主に「尿素」「ワセリン」「ヘパリン類似物質」の3つ。それぞれ肌に対する効果が異なります。その特性を理解せずに使用すると、きちんと治らず乾燥肌をくり返すこともあります。そんな乾燥肌の悪循環に陥った肌を救うのは、ヘパリン類似物質。尿素やワセリンが肌の表面で作用するのに対し、肌の奥まで浸透して、肌が本来もつバリア機能を修復します。いわば、乾燥肌を根本から治す成分なのです。

乾燥肌の根本ケアで大切なのは、「保湿+修復」。

医療現場における乾燥性皮膚疾患の治療では、
ヘパリン類似物質がスタンダード!

ヘパリン類似物質は、皮膚科で圧倒的に処方されている成分です。「乾燥に効く」と市販薬のなかでの主流となっている尿素は、肘、膝、かかとなど、角層が肥厚している部位には用いられますが、広く乾燥肌の改善を目的に使用されるのはヘパリン類似物質です。
ヘパリン類似物質は、刺激が少なく、全身どこにでも使うことができ、赤ちゃんから高齢者まですべての方が使えます。

「くり返さない」根本治療には、ヘパリン類似物質。